虫の声
夕月夜心もしのに白露の置くこの庭にこほろぎ鳴くも
この和歌の作者は、奈良時代の皇族・歌人である湯原王です。
夕月が照る夜に、心もしおれるほどに白露がおりているこの庭で、
コオロギが鳴いている情景をしみじみと表現しています。
「こほろぎ」とは、スズムシやキリギリス、
マツムシなどの秋の虫の総称として広く使われていました。
また、「しのに」には、「しみじみと心に染みる様子」や
「しんみりとした気持ち」という意味があります。
虫の声を聞いて季節の移ろいを感じる力は、
日本人ならではの感性と言えるでしょう。
虫の声に耳を澄ませ、
秋の静寂や風情を味わうことができるのです。
いつの間にか夏の暑さがやわらぎ、
秋の虫があちこちで鳴き始めました。
心に潤いを与えるのは娯楽だけでなく、
読書や自然に親しむ時間の中にもあります。
秋の夜長に耳を澄ませば、虫の声が心を穏やかにしてくれます。
短い秋の風情を味わい、
心に安らぎを取り戻す時間を持ってみてはいかがでしょうか。
今日の心がけ◆秋の静寂を味わいましょう




