秋の声を聴く
昼間の暑さが少し落ち着く頃、夕方になると、
あちらこちらから虫の音が聞こえてきます。
代表的な秋の虫といえば、鈴虫やコオロギでしょう。
窓の灯の草にうつるや虫の声(正岡子規)この俳句に詠まれているように、
私たち日本人は古くから虫の音を「声」として聴き、
楽しむ感性を持っています。
平安時代には、貴族が虫の声を鑑賞する「虫聞き」が行なわれ、
和歌にも詠まれました。
ある研究によると、虫の音や自然の音を耳にすると、
私たちはそれを言語を司る左脳で聴くとされます。
聞こえてくる虫の音に感性的・情緒的な意味を見出して処理するのです。
一方、日本語を話さない人々にとって、虫の音は特別な意味を持ちません。
そのため、「声」ではなく単なる雑音として聞こえるといいます。
街中では、人工の騒音に虫の音がかき消されるかもしれません。
しかし時には、道端の草むらに響く虫の声に耳を澄ませ、秋を感じてみてはいかがでしょう。
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