「若い頃は疲れを知らなかった」と豪語するAさんは、
六十歳を過ぎた頃から無理が利かなくなったといいます。
世間には八十歳を過ぎても現役で働く人もいますが、
おおむね年齢に応じて、若い頃とは異なる働き方をしているものです。
室町時代に「能」を大成させた世阿弥は、
その著書『風姿花伝』の「年来稽古条々」において、
年齢ごとの稽古のあり方を述べています。
世阿弥は、五十歳を過ぎたなら若者の真似をするのではなく、
「しない」という芸を勧めています。
これは、失っていくものを取り戻そうとするのではなく、
引き算の中で光るものを芸の花として咲かせていくことを意味しているようです。
子供の頃の愛らしさや若者の力強さは、年齢とともに失われていきます。
その分、培ってきたものが残り、その年齢でしか出せない魅力が生まれるものです。
現状を維持する努力も大切ですが、時には今ある良さを生かし、
思い切って手放すことも必要なのかもしれません。
普段の仕事でも、自分にふさわしい働き方はないかを見直し、
常に創意工夫していきたいものです。
今日の心がけ◆強みを生かしましょう





