八丁味噌は、現在の愛知県岡崎市で生まれた、
江戸初期から続く伝統的な豆味噌です。
その名は、徳川家康の居城であった岡崎城から、
西へ八丁(約870メートル)離れた八帖町で作られていたことに由来しています。
特徴は、一般的な味噌が米麹や麦麹を使うのに対し、
八丁味噌は大豆と塩のみで仕込まれる点にあります。
また、巨大な杉桶に材料を仕込み、
その上に約三トンもの石をピラミッド状に積んで長期熟成させます。
老舗では、今も熟達した職人の手によって、
石は一つひとつ丹精込めて積み上げられています。
「二夏二冬」という二年以上の歳月をかけて熟成された味噌は、
チョコレートのような深い色味と、濃厚なコク、そして独特の渋みを兼ね備えます。
保存にも優れ、かつては戦国武士を支える兵糧としても重宝されました。
こうした伝統を守り続けている店は限られていますが、
そこには先人から受け継いだ確かな知恵と技術が、
今なお活かされているのです。
今日の心がけ◆歴史に根ざした価値を学びましょう




